1998年刊行の幻の名著が2020年の視点も加筆されて復刊です。
フィッシングライターとして現在も活躍する佐藤成史さんのライフワーク、人間の活動などにより生息場所を狭められる渓流魚たちを追いかけ写真に収めた貴重な記録。
インターネット前夜、乏しい情報をかき集めてターゲットににじり寄るようすは、冒険談のようなある種の清々しさも感じられます。
著者はフライフィッシャーですが、渓流魚の儚さ、美しさに心が動かされたことがある、すべての人にとって、価値のある読書体験になるはずです。
東日本編に収められたのは15エピソード。岐阜県から北海道にかけて、無紋ヤマメ、無班イワナ、カメクライワナ、スギノコ、オショロコマなどに巡り会います。
A5判カラー256ページ
CONTENTS
まえがき 002
瀬戸際の渓魚たちの現在 2020 006
ヤマメ・アマゴ群の自然分布概念図 018
日本産イワナ属の自然分布概念図 019
日本海側イワナ 020
太平洋側イワナ 022
オショロコマ 024
日本海側ヤマメ 025
太平洋側ヤマメ・アマゴ 026
第16章 サツキマス 岐阜県(1992年5月) 030
第17章 別荘地に残されたイワナ 長野県(1997年5月) 044
第18章 種の境界と混沌 神奈川県、静岡県(1994年4月) 056
第19章 神流川源流の天然イワナ 群馬県(1994年8月) 072
第20章 失われた渓と無紋ヤマメ 茨城県(1994年4月、1995年4月) 084
第21章 阿武隈高地の天然イワナ 福島県(1996年9月) 096
第22章 タキタロウと大鳥池 山形県(1996年9月) 108
第23章 カメクライワナを巡る旅 山形県(1993年9月) 121
第24章 無差別放流への警鐘 岩手県ほか(主に1993年8月) 138
第25章 小渓の幽魚 無斑イワナ 岩手県(1993年8月) 155
第26章 スギノコ物語 青森県(1991年8月) 171
第27章 オショロコマの南限 北海道(1992年6月) 185
第28章 オショロコマの楽園 北海道(1996年9月) 196
第29章 北の原野にイトウを追い求めて 北海道(1995年11月) 208
第30章 日本最北の島々と渓魚たち 北海道(1996年9月) 224
2020年、「瀬戸際」を振り返る 東日本編 246
参考文献 252
謝辞 255
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