2026年9月4日発売。
フライフィッシングの歴史を語るうえで、「セオドア・ゴードン」という名は決して欠かすことができません。アメリカにドライフライ・フィッシングを根付かせ、「キャッツキルパターン」の礎を築いた伝説的存在として知られる一方、その人生は決して華やかなものではありませんでした。病弱な身体、予期せぬ失業、経済的困窮、そして孤独――幾多の苦難を抱えながらも、彼は愛するキャッツキルの渓流に生き、釣りへの情熱を生涯失うことはありませんでした。
本書は、ゴードンが雑誌に寄稿した珠玉のエッセーを厳選して収録した一冊です。釣りの技術論やフライパターンの考察だけではなく、美しい渓流の情景、自然への深い敬意、釣り仲間との交流、時にユーモラスで、時に皮肉を交えた軽妙な文章からは、歴史上の偉人ではなく、一人の温かく魅力的な人間としてのゴードンの姿が浮かび上がります。
また、英国から伝わったドライフライをそのまま模倣するのではなく、アメリカの川と羽虫に適した独自のスタイルを追求した彼の探究心は、現在も世界中のフライフィッシャーに受け継がれています。「クイルゴードン」や「ビーバーキル」といった名作フライがどのような思想から生まれたのか、その背景を知ることで、現代のフライフィッシングをより深く理解できるでしょう。100年以上の時を経てもなお色褪せないゴードンの言葉には、釣果だけでは語れない釣りの本質があります。フライフィッシングを愛する人はもちろん、釣り文化や自然との関わりに興味を持つすべての読者にとって、本書は時代を超えて心に響く一冊となるはずです。
〇サイズ:A5判/ソフトカバー
〇頁:72頁(オールカラー)
〇価格:本体1,700円+税
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